【外信コラム】米大統領選 新たな幕開け

 米大統領選は民主党のバイデン前副大統領が7日に勝利を宣言し、共和党のトランプ大統領が法廷闘争を続けているものの、一段落ついた形となった。各地で有権者の話を聞く取材を振り返ってみると、トランプ氏の支持者を探すのに苦労したという印象がある。

 南部テネシー州ナッシュビル近郊では十数人にインタビューしたが、トランプ氏に投票したと答えたのは1人だけ。都市部や都市近郊は民主党支持の傾向が強いが、同州が共和党の地盤であることを考慮すると、少ないと感じた。

 中西部ミシガン州グランドラピッズを訪れた際も、トランプ陣営の関連集会に足を運んで、ようやく支持者に巡り合えた。ただ、参加していた看護師の男性(69)は、田舎町から4時間近く運転してきたと返答した。トランプ氏には熱心な支持者が多いという定説通りだ。

 バイデン氏が都会的な浮動層を引き付けた一方、トランプ氏は「熱」が高い地方の保守層を掘り起こして接戦に持ち込んだのがうかがえる。世論が真っ二つに割れ、緊迫した米国政治の現状を踏まえると、選挙戦が終わったというより、交わることのない保守とリベラルの構図の下、2年後の中間選挙や4年後の次の大統領選に向けた戦いの幕が早くも切って落とされたとみるべきだろう。(塩原永久「ポトマック通信」)

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