【主張】水害対策 激甚化に対応し強化急げ

 昨年の西日本豪雨に続き、今年は東日本の各地が相次ぐ台風で深刻な被害を受けた。10月の台風では茨城県や福島県、宮城県などで大規模な浸水被害が発生し、政府は激甚災害に指定して復旧を急いでいる。

 台風や豪雨による被害は毎年深刻化している。政府はこうした異常事態に対応し、抜本的な水害対策に乗り出すべきである。

 長い時間を要する現行の河川整備計画を見直し、緊急性が高い地域の堤防建設を前倒しするなどの取り組みが欠かせない。

 昨年度から始まった国土強靱(きょうじん)化の3カ年緊急対策で堤防のかさ上げを進めているが、実情に応じた対策の強化を急ぐべきだ。

 10月に相次ぎ上陸した台風と、これに伴う大雨の影響で、東日本を中心に各地で浸水被害が頻発した。19号では120カ所以上で堤防が決壊し、21号では34河川で氾濫が確認された。

 降雨量も急増傾向にあり、水害対策は待ったなしのはずだが、河川整備は遅れている。

 国の整備計画に基づいて水害対策を進めている国管理の河川で堤防が必要な約1万3千キロのうち、堤防の高さが計画水準に達していない区間は約3500キロに及ぶ。堤防自体が設置されていない区間も約750キロを超える。

 緊急対策のさらなる前倒しを早急に検討する必要がある。

 都道府県などが管理する中小河川の河川整備も急ぐべきだ。とくに小規模な河川では氾濫時に水につかる地域と、その水深を示す浸水想定域も策定されていない。

 ハザードマップはこの想定域に基づいて作られており、政府は自治体に、浸水想定域を早期に策定するよう促すべきだ。

 下流域から始める河川整備は、10~20年単位の長期にわたって工事が続く。優先順位を設けて整備を急ぐとともに、早期の避難に向けた対策も重要だ。一連の台風でも多くの浸水被害はハザードマップに沿って発生した。

 住民が自ら暮らす地域の危険性を把握することが被害を減らすことにつながる。

 東京の江戸川や足立などの5区は大規模水害に備えた避難計画をまとめているが、鉄道の計画運休時に大量の避難者の移動手段をどう確保するかなど、課題は多い。災害に対する官民の緊密な準備が欠かせない。

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