【外信コラム】アフリカの未来 部族対立、洪水、そして「債務のわな」…

 アフリカ屈指の独裁者として37年間、専横をふるったジンバブエのムガベ前大統領(95)が死去した。40歳も年下の妻、グレースさんに権力を委譲しようとして軍が事実上のクーデターに踏み切り、2年前にしぶしぶ辞任した。

 ぜいたく品を買いあさる妻は「グッチ・グレース」というあだ名がつくほどのブランド好きで、暴行疑惑もあった。最高権力者にふさわしい実力も品格もなかったといえる。

 エジプトの首都カイロの支局でニュースチャンネルを見ていると、アフリカの実情にやりきれなさを感じることがよくある。部族対立やテロ、反政府デモに加え、洪水や疫病で多数の人が命を落としている。ムガベ氏ほどではないが、強権的指導者が少なくないことも背景にあるだろう。

 アフリカには中国が深く浸透し、最近ではインフラ建設などの際に返済不能な債務を押しつけて当事国の政府を牛耳る、「債務のわな」と呼ばれる事例が報告されている。日本は8月、第7回アフリカ開発会議(TICAD)を開き、債務に苦しむ国の財政担当者を育成する方針を示した。

 アフリカの貧困や圧政を根絶するために、日本の試みが成功するよう願っている。中国への対抗策としてだけではなく、アフリカの人々の幸せのために。(佐藤貴生「千夜一夜」)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ