【甘口辛口】人的補償はまるでゲームのよう…FAが選手の権利なら代わりに移籍させられる選手の権利は?

 ■1月9日 「人的補償」というシステムはなんとかならないのか。プロ野球でFA選手を獲得した球団は、相手球団に対し金銭や選手を補償しなければならない。人的補償で指名されて移籍を拒否した場合は資格停止になる。用語からして「人身御供」や「穴埋め」を連想させ、負のイメージが強すぎる。

 巨人は昨年末、西武に人的補償で移籍した内海に続きFA補強した広島・丸の人的補償で長野と、ともにチーム生え抜きの功労者を手放した。「屋台骨を支えた2人を失ったのは非常に残念」と巨人・山口オーナーは話した。それなら、なぜ28人のプロテクト枠から外したのか。門外漢は首をひねるばかりだ。

 若手育成にたけた広島なら高給取りのベテラン長野は取らない。そう巨人は読んでいたらしいが、広島にすれば丸の穴は想像以上に大きかったようだ。セ・リーグ3連覇で実力も球団経営も円熟期に入り、得たものは失いたくないのが人情。「育成の間に合ってない部分」(松田オーナー)に長野がはまった。

 まるでゲームのようで、FAが選手の権利なら代わりに強制的に移籍させられる選手の権利はどうなるのか。かつて某球団で人的補償選手がキャンプ直前まで決まらなかったことで選手会から「人権的に問題があるのでは」との声も上がった。しかし「若い選手にはチャンスが広がる」との意見もあって変わらなかったと聞く。

 といって、すべて金銭補償にしたら金満球団は何の痛みもなく選手を取れる。いっそ、FA獲得した球団はドラフト1巡目指名権を相手球団に譲渡する大リーグのようなシステムにすれば傷つく選手もいない。このままでいいのか、選手会で真剣に議論すべきだろう。(今村忠)

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