【主張】IT企業規制 「社会との共存」を促そう

 日本政府が、米グーグルやアマゾンなど大手IT企業に対する規制に乗り出す。

 こうしたIT企業はインターネットを通じて独自のビジネスモデルを構築しており、公正な競争環境を守るためだ。

 経済産業省や公正取引委員会などによる有識者会議が、大手IT企業に対する規制に関する中間報告をまとめた。年内に基本原則を決定し、来年から具体的な規制の検討を始める。

 「プラットフォーマー」と呼ばれる企業は、ネット技術を駆使して独自のサービスを提供し、新たな市場を開拓してきた。

 だが市場の寡占化が急速に進む中で、利用履歴などのデータの保護が不透明なほか、他社との競争を不当に制限している疑いが指摘されている。

 このため政府は、データ保護・利用や他社との取引に関する情報開示などを求める。独占禁止法の適用を検討するほか、専門家による取引監視にも取り組む。

 欧州は大手IT企業に対する規制で先行している。日本も欧州と連携し、実効的な規制について具体化を急いでほしい。

 グーグルやアマゾンはネット検索やネット通販で強みを発揮し、独自の事業展開を進めている。

 とくにグーグルなどは無料サービスで利用者の情報を集め、それを活用して広告料収入などを得ている。そうしたIT企業は国境を越えて活動しており、日本政府による監視の目も届きにくい。

 しかし、ネットが普及した現代では、こうしたサービスの寡占化が進み、公正な競争をゆがめているとされる。経産省のアンケートでは、プラットフォーマーと取引する日本企業の9割近くが「一方的に利用規約を変更された」と答えている。

 このため、公取委は優越的地位の乱用防止などを定めた独禁法による規制を検討する。公取委はアマゾンに対し、出品者に値引きの一部を負担させていた疑いで立ち入り検査を実施するなどの取り組みをみせており、不当な取引制限などを排除する。

 一方でIT企業を過度に規制すれば、利便性を損なうこともありうる。政府は、取引に関する適正な情報開示や専門家による監視を通じ、IT企業に社会との共存を促してほしい。それが事業の成長にもつながるはずだ。

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