【甘口辛口】ドローンに自動運転車、そして殺人ロボット兵器…ターミネーターの世界に以前より「未来」感じず

■12月10日 先日、家族と何年ぶりかで大阪市の映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」に足を運んだ。初めて目にする「ハリー・ポッター」の世界の細部まで作り込まれたできの良さに驚嘆し、無数の「ミニオン」たちに囲まれて童心に帰ることもできた。

 行った人なら忘れない、「ターミネーター」のツアーで案内役を務める「綾小路麗華」さんの毒舌客いじりは相変わらず絶品。一方、近未来の世界で主人公に襲いかかる警備のドローンに以前より「未来」を感じなくなっているのに気がついた。

 剣呑(けんのん)な武器や自分で標的を探す人工知能(AI)こそ搭載していないが、ドローンそのものは大きな電気店なら普通に売っている商品にすぎない。ボタン1つで前の車に追随する自動運転車も、GPS(全地球測位システム)を使って無人で農作業をするトラクターもすでに販売されている時代である。

 先月、ジュネーブで「殺人ロボット兵器」の規制をめぐる初の国連公式専門家会議が開かれた。AIを持ち、人間の意思を介在せず敵を自律的に殺傷する兵器のことだ。技術はあってもまだこの世に出現していないはずの存在に、5日間の会議で採択された報告書は「開発や使用には国際人権法や人道法が適用される」とした。「ターミネーター」の教訓は生かされていると信じたい。

 3Dメガネをかけてショーを見ている間、隣の席のアジア系の男の子は、目の前に映像が迫るたびにビクッと震え、ときにはかわそうと必死に体を反らしていた。ほほえましいほどの初々しさ。エスカレートする刺激にどんどん慣れているすれた自分が、損をしているような気分になった。 (親谷誠司)

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