【主張】希望の党 御輿なき祭りに終わるか

 唐突な政党結成の発表に始まり、民進党からの合流者を厳しく選別するかと思えば、一挙に200人近くの候補者を擁立する。

 希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の手法はそのつど、話題を集めている。

 だが、この政党は日本の将来をどう描いているのか、という肝心のことがどれだけ見えてきただろう。

 小池氏は、今度の衆院選を政権選択と位置づけながら、誰を首相候補にするのかをはっきりさせていない。それが最大の理由ではないか。

 しかも、小池氏は自らの出馬を否定している。いわば、真に国政に責任を負うという意味での「御輿(みこし)」を持たないまま、祭りを始めている。有権者は戸惑わざるを得ない。

 首相指名選挙は衆院選後の特別国会で行われる。新議員らの最初の仕事だ。憲法67条の規定で、国会議員しか首相になれない。衆院選に不出馬なら、小池氏は首相を目指さないということだ。

 小池氏や側近とされる若狭勝前衆院議員は、首相指名選挙の対応を問われても、衆院選の結果を見て判断すると繰り返している。

 すでに第1次公認で192人を立て、最終的には衆院定数の過半数(233)を擁立する方針だ。民進党が瓦解(がかい)したあとの政界で、政権の受け皿になると宣言しているのに、戦う前から日和見の姿勢を取るのはどうしてなのか。

 衆院選後に選ばれる首相は、来日するトランプ米大統領と同盟国同士の話し合いを行う。北朝鮮危機など多くの難局に当たる。

 その担い手は安倍晋三首相なのか、それとも別の政治家であるべきか。有権者が選択を行ううえで大きな判断材料となる。

 小池氏は、産経新聞のインタビューで「国会議員の一人になっても意味がない。東京都が(改革の)範を示し、日本全体に広げていく」と語った。

 国政の改革が遅いと強調する趣旨だが、都政と国政の機能や役割は基本的に異なる。両者を並列で語るのはわかりにくい。

 与野党の党首が、国の進路を競い合う党首討論を国会で行うのも、無意味だと言いたいのか。

 国のかじ取りをし、法律や予算を議決するのは国会議員の仕事である。それを軽視することはできない。

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