【主張】米中と北朝鮮 大統領訪問までに成果を

 訪中したティラーソン米国務長官が、習近平国家主席らと会談し、北朝鮮情勢を協議した。

 トランプ政権は、北朝鮮による核・ミサイルの挑発が止まらなければ、軍事的選択肢も排除しない態度を貫いている。

 ティラーソン氏はそうした立場を説明し、中国による圧力強化を促したとみられる。だが、大きな進展があったようには見えない。

 北朝鮮に核兵器開発を断念させるには、関係各国が連携して対処しなければならない。とりわけ米国と中国の役割は大きい。

 来月上旬にはトランプ大統領の訪中が予定されている。だが、良好な米中関係を取り繕うことに主眼を置くものでは困る。いかにして北朝鮮の暴走を抑えるか。両国の外交力が試されよう。

 今回はトランプ氏訪中の調整という位置づけが大きかった。北朝鮮問題についての具体的なやりとりは公表されていない。

 トランプ氏の訪中は、同盟国である日本、韓国を含むアジア歴訪の一環で、ハワイ州に立ち寄るのを含めて12日間に及ぶ。日中韓を含むアジア太平洋地域の首脳が顔を合わせる、2つの国際会議にも出席する予定だ。

 これらを、北朝鮮に強いメッセージを送る格好の機会にすべきである。

 中国は先月下旬、国連安全保障理事会決議に基づく北朝鮮への石油精製品の輸出制限や繊維製品の禁輸などの措置を発表した。

 安保理決議の履行は当然のことである。だが、北朝鮮の「後見役」である中国としては、圧力に加わっていることをアピールするねらいもあるのだろう。

 求められているのはポーズではなく実質である。金正恩朝鮮労働党委員長に考えを改めさせる姿勢を明確にすべきだ。

 ティラーソン氏は北京で、北朝鮮との対話にも言及した。一方、トランプ氏は「時間の無駄」と表明し、歴代米政権の失敗は繰り返さないと強調している。

 対話を模索するにせよ、北朝鮮の核・ミサイル放棄が前提となるべきことは言うまでもない。

 この点についても、日米間の意思疎通が途絶えることがあってはならない。

 政府は常に、米側の外交意図を正確に把握しておくべきだ。衆院選による空白が決して生じてはならない分野である。

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