【主張】枝野氏ら新党 左派分離はわかりやすい

 民進党の枝野幸男代表代行が、いわゆるリベラル系の前議員らと新党「立憲民主党」を結成して衆院選に臨む。

 小池百合子東京都知事が率いる希望の党とは「理念や政策が異なる」ので、異なる道を目指すからだという。

 今後は、安全保障関連法の廃止や憲法9条改正への反対など左派的な理念、政策をいっそう打ち出すだろう。

 掲げる旗の色はともかく、有権者に明確な選択肢が提示されることは歓迎である。

 もっとも、当初は希望の党からの出馬を期待していたふしもある。小池氏から合流を拒まれるとわかり、窮余の策で新党に動いたのが実相ではないか。

 民進党にとり、憲法や外交・安全保障政策で責任ある態度をとれなかったのは、旧民主党時代からの構造的な欠陥だった。

 事実上の解党の際に、左派勢力が分離し、理念や政策を軸とした勢力の再結集が図られることを期待したい。

 旧社会党系グループも加わる見通しの立憲民主党は、「リベラル」(自由主義)勢力を自任している。リベラルという言葉を使いたがる政党、勢力は多い。だが、冷戦期からの「革新」勢力の系譜を継ぎ、左派色が濃い点を見落としてはなるまい。

 北朝鮮や中国が原因となって、日本の安全保障環境は著しく悪化している。それを直視し、対処方法を現実的に考えられるのか。公約の発表はまだだが、国難を突破すべきだという自民党とは、かけ離れたものとなりそうだ。

 枝野氏らは、冷戦期にできた数十年も昔の憲法解釈にこだわって、集団的自衛権の限定行使を認めた安保関連法は違憲だと批判してきた。国民を守るため、日米同盟の抑止力を高める必要があることを、どう考えているのか。

 安倍晋三政権下での憲法改正は認めないという、子供じみた主張を先導し、民進党を「抵抗政党」に没落させてきたともいえる。

 枝野氏らの動きを共産党の志位和夫委員長が歓迎し、新党の立場をわかりやすくしている。共産党との共闘を追求してきたのも民進リベラル系だった。

 一方、希望の党で生き残りを図る民進党出身者も、政策的な曖昧さを持つから、そうした行動がとれる。憲法改正や安全保障の基本的態度を有権者は見ている。

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