【主張】北の建国記念日 破滅への道を歩んでいる

 北朝鮮は9日、建国69周年の記念日を迎え、平壌の「万寿台の丘」に立つ故金日成主席らの銅像には、早朝から市民らが次々と献花した。

 金日成、正日、正恩と親子三代が独裁を続ける異様な国家は、破滅への道を歩んでいるとしかみえない。核・ミサイルによる国際社会への恫喝(どうかつ)をやめない限り、国の未来を描くことはできないと、知らしめなくてはならない。

 朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は9日、「わが国は世界的な軍事強国の地位に上り詰めた」と述べ、「米国や追従勢力がいくら悪あがきしても最強の兵器を持ち、永遠に鉄壁だ」と強調した。

 事実ではない。軍事行動を選択肢とするトランプ米大統領は「軍事力を使わないのが望ましいが、使えば北朝鮮にとって悲劇の日となる」と述べている。米国との軍事力の差は圧倒的で、武力衝突が現実のものとなれば、北朝鮮は壊滅的な打撃をこうむる。

 それでも「わが国は核強国である」との強弁を続ける金正恩政権は、だだっ子のようだ。ただし、このだだっ子は凶悪である。

 実力者だった叔父の張成沢氏を粛清し、実兄の金正男氏を暗殺した。日本人拉致被害者について調査の約束を一方的に破棄し、全員帰国の切なる願いに耳を貸そうともしない。

 国民の多くは貧困にあえぎ、恐怖政治におびえている。建国記念日の祝祭を喜ぶ市民の姿は、見せかけのものであるのだろう。米朝が戦うことになれば、最大の被害者は彼ら北朝鮮の国民である。

 北朝鮮に核・ミサイルを放棄させる唯一の方策は、現状では制裁の徹底強化で追い込む以外にない。米国は、北朝鮮への石油の禁輸を含む制裁決議案の採決を11日に行うよう、国連安全保障理事会に要請している。

 だが、ロシアのプーチン大統領は建国記念日にあたり、金正恩朝鮮労働党委員長に祝電を送り、「両国関係の発展が朝鮮半島と北東アジアの安全と安定に貢献する」と表明した。

 こうした国際社会の環(わ)のほころびが、北朝鮮の無謀な挑発に活路を与えることになる。北朝鮮に多大な影響力を持つロシアと中国を抜きに、制裁の効力を十分に発揮することはできない。今は、国際社会が一致して北朝鮮を押さえ込むときである。

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