【主張】米駆逐艦事故 哀悼と敬意を共有したい

 伊豆半島沖での米海軍イージス駆逐艦「フィッツジェラルド」と民間の大型コンテナ船の衝突は、米艦乗組員7人が亡くなる事故となった。

 19~37歳であり、独身で米国に家族がいる人が多いという。緊迫する北朝鮮情勢の下、日本やアジア太平洋地域を守る任務に就いていた。

 故郷から遠く離れた海で殉職した7人に、深い哀悼の誠をささげたい。ベンソン艦長はじめ負傷者の早期回復も願う。

 フィッツジェラルドは弾道ミサイル防衛(BMD)システムを搭載し、日本海などで北朝鮮のミサイル警戒に当たってきた。

 深夜、就寝中の居住区へ大量の海水が流れ込んだため、7人が犠牲になったとみられる。

 安倍晋三首相は事故の翌日、トランプ大統領に対し、「大きな悲しみに包まれている」と哀悼の意を伝えた。

 地域の平和、安定に尽くす米軍関係者への敬意を示すメッセージも発した。

 多くの国民が同じ思いを抱いているのではないか。米側からも日本の支援に謝意が示された。

 心のつながりが強いほど同盟は確かなものとなる。東日本大震災の「トモダチ作戦」に加わり、被災者救援にあたった艦であることも知っておきたい。

 安倍政権には、7人の遺族や、緊急に来日する米海軍の首脳ら関係者に、誠意ある対応をとってほしい。

 大切な点を2つ指摘したい。

 1つは、今回のような悲劇を繰り返さない努力をすることだ。

 現場は多くの船舶で混雑する「海の難所」といわれる。

 軍事機密の塊であるイージス艦という事情はあるものの、日米両政府は、できるだけ捜査や調査で協力し、再発防止につなげてもらいたい。

 もう1つは、日米同盟の抑止力低下を避けなければならない点である。

 日本周辺で弾道ミサイルを追尾、迎撃するBMD対応のイージス艦は、海上自衛隊4隻と米第7艦隊7隻の計11隻だった。修理を要するフィッツジェラルドは、相当の期間、運用できなくなる。

 残る10隻のローテーション見直しで日米が対応することになろうが、米海軍が他の艦隊のBMD対応艦を第7艦隊へ移すことも期待したい。

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