【甘口辛口】稀勢は動く力士を自ら求めて出稽古すべき 場所前の田子ノ浦部屋は空っぽになる方がいいのでは

■6月19日

 新大関誕生が一段落したと思ったら、早いもので1週間後の26日には名古屋場所(7月9日初日)の新番付が発表される。左上腕付近の負傷のため先場所途中休場した横綱稀勢の里は一時「名古屋も休場」との憶測も流れた。「本当のところはどうなのか」とやきもきさせたが、どうやら順調に回復しているようだ。

 6月は巡業がなく力士はそれぞれの部屋で稽古している。稀勢の里は15日に都内の田子ノ浦部屋から千葉県習志野市の阿武松部屋に出稽古し、幕内阿武咲と休場以降初めて関取相手に相撲を取った。さらに翌日は部屋で弟弟子の新大関高安と13番稽古し、回復をアピールしている。

 初日まで3週間。時間は十分ある。休場説など吹き飛ばし強い稀勢の里が戻ってきそうだ。ただ、ある力士OBはこう話す。「けが上がりの横綱との稽古は、またけがさせたら自分の責任になると相手はかなり気を使う。周りがそうだから本人はどの程度回復しているか、自分でもわからなくなることもあると聞いた」。

 昭和の大横綱大鵬はけがや病気で休場も多かった。師匠二所ノ関親方(元大関佐賀ノ花)は場所直前になると、強烈なぶちかましで“猛牛”といわれた一門の大関琴桜(のち横綱)を稽古に呼び「遠慮なくいってくれ」と当たらせた。これで大鵬は自分を見つめ直すことができ、厳しくチェックした師匠から「休め」と言われても納得した。

 稀勢の里は、左の相四つの高安とは差し手争いの稽古にはならない。いまは体力作りの時期だが、番付発表後は激しく当たり、動く力士を自ら求めて出稽古すべきだろう。高安も同じで、場所前の田子ノ浦部屋は空っぽになる方がいいのではないか。 (今村忠)

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