【主張】日韓合意 「解決に時間」とは耳疑う

 韓国の文在寅大統領が自民党の二階俊博幹事長との会談で、慰安婦問題の日韓合意に関し、「解決には時間が必要だ」と述べた。

 国家間で「解決済み」の問題になぜ時間を要するのかが、まず理解しがたい。蒸し返すような発言は許されないし、聞き流すこともできない。

 文氏は日韓合意について、「韓国国民の中で受け入れられないという感情もあるのも事実だ」とも語った。それがあるとすれば、合意の意義を徹底して説くのが指導者の役割であろう。

 文氏自身、大統領就任前の今年1月、釜山の日本総領事館前の慰安婦像を訪れるなど反日パフォーマンスを繰り返し、世論をあおってきた。今さら責任を世論に押しつけるような発言は通らない。

 韓国大統領府が、女性家族相の人事を発表した際、日韓合意の再交渉に一時言及し、その後、取り消す騒ぎも起きている。

 一昨年12月、日韓両国の外相は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、世界に向けて表明した。これを反故(ほご)にするのであれば、自ら国際的信用を失うことになる。

 日韓合意の背景には、北朝鮮が核・ミサイルで挑発を繰り返すなど地域の安全保障の懸念が高まる中で、日韓関係の改善が欠かせないとの判断があった。米国をはじめとする国際社会も、この合意を受け入れた。

 文氏は「実用的なアプローチで未来志向のパートナーへと発展できることを希望する」と述べたという。だが、国家間の合意も守らずに日本をおとしめる相手と、未来志向の信頼関係を築くことは困難である。

 ソウルの日本大使館前や釜山の総領事館前の慰安婦像はいまだに撤去されていない。在外公館の尊厳と安寧を守る国際法を犯しており、即刻撤去すべきである。

 そもそも慰安婦問題を含む戦後補償問題は、昭和40年の日韓国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定で解決済みである。

 日本が無償3億ドル、有償2億ドルの供与を約束し、両国とその国民の請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記された。

 これらを、韓国政府は国民によく説明しない。謝罪優先の日本政府の姿勢が、問題を長引かせてきたことも忘れてはならない。

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