【主張】民主党 憲法の「争点化」逃げるな

 国政選挙の年に開いた党大会だというのに、どれだけの国民が関心を持っただろう。

 野党の結集を模索しながら、支持率低迷が続く民主党である。

 岡田克也代表が、維新の党との新党問題で「選択肢として排除されていない」と曖昧な発言をしたことが少々、話題になった。それとて、反転攻勢につながるものとは言い難い。

 安全保障政策では、日本を取り巻く環境の悪化に応じた議論の土俵に上がることを嫌がる。憲法改正に至っては、「安倍晋三首相の下では議論しない」と子供じみた理由で論争を回避する。

 政権の受け皿を担えると思わせるような政策を国民に訴えない限り、現状維持にせよ、新党を志向するにせよ、展望は開けまい。

 甘利明・前経済再生担当相が金銭スキャンダルで辞任に追い込まれ、安倍政権は少なからずダメージを受けた。にもかかわらず、各種世論調査では安倍内閣支持率は上昇傾向にある。国民の民主党への期待がいかに薄いかだ。

 安全保障関連法の審議を通じ、民主党は国民の生命と安全をいかに守り抜くかという、国家としての基本的な課題に正面から向き合わなかった。

 それどころか、「北朝鮮や中国にリアルな危険はない」などという共産党との連携まで探りつつ、参院選を戦おうとしている。

 憲法改正をめぐり、民主党は昨年12月の維新との「基本的政策合意」に「条文の改正を目指す」と盛り込んだ。

 仮に新党を口にするなら、その具体化を進めるのが先決だろう。岡田氏は「立憲主義を理解しない安倍首相の下での改正論議は、憲法の破壊になる」と語るが、論戦回避の言い訳にもならない。

 緊急事態条項では、自民党が海外の例も参考にしてまとめた改正草案について、ナチスを引き合いに批判した。あまりにもバランスを欠く論法にあきれる。

 「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」。新たに作ったポスターに対し、党内からも悪評がある。もっとも、その批判の多くは自虐的な前段の「嫌い」に向けられているようだ。

 野党第一党でありながら、骨太な政策を磨こうともしない姿勢こそ、民主主義の停滞をもたらしている。その危機にどれだけの党員が気づいているのだろうか。

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