【主張】国際捕鯨裁判 生態把握の手段が消える:イザ!

2014.4.2 03:50

【主張】国際捕鯨裁判 生態把握の手段が消える

 明らかに公平さと合理性を欠いた結論だ。

 日本が国際捕鯨取締条約に基づいて南極海で行ってきた調査捕鯨に対し豪州が中止を求めて国際司法裁判所(ICJ)に提訴していた裁判で、日本の活動を条約違反とする判決が下された。

 ICJの判決には上訴の手段がなく、日本政府は従わざるを得ないが、鯨類の生態解明などに貢献してきた調査捕鯨の科学性が十分に理解されなかったことは、極めて遺憾だ。

 日本は世界に向けて、これまで以上に調査捕鯨の意義を明確に説明しなければならない。そうしなければ「科学を装った商業捕鯨」という豪州や反捕鯨団体による不当な誹謗(ひぼう)が定着してしまう。

 日本の敗訴理由のひとつは、調査捕鯨の捕獲目標数と実際の捕獲頭数の開きである。

 南極海での調査捕鯨の主な対象はクロミンククジラで、日本は約800頭の捕獲枠を持っているが、実際の捕獲は昨漁期の場合、約100頭に減っている。

 これは調査計画がずさんであったためではなく、反捕鯨団体の執拗(しつよう)で悪質な妨害があったからである。あえて強硬策を避けた日本の配慮が裏目に出た形だ。判決を機に、鯨を神聖視して感情に訴える反捕鯨団体の活動が、北西太平洋での調査捕鯨に対してもエスカレートすることが危惧される。