【正論】山田吉彦氏 今日の南シナ海は明日の尖閣だ:イザ!

2014.1.27 03:18

【正論】山田吉彦氏 今日の南シナ海は明日の尖閣だ

 中国の海南省政府が1月1日、「中華人民共和国漁業法」に基づき、南シナ海の管轄海域内で操業する外国漁船は中国当局による許可を必要とするなど、漁業規制を強化する規則を施行した。「偉大なる中華民族の復興」を目指し、支配海域を着実に拡大するという中国の戦略の一環である。

 ≪漁業規制は既成事実化狙い≫

 中国は、領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせて300万平方キロ有するとしている。今回の規制強化海域はそのうち約200万平方キロに及び、1950年以降、南シナ海の海上境界線としている「九段線」の内側にある。

 だが、この海域はベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、台湾も管轄権を唱えていて、その範囲は154万平方キロにわたる。係争のない海域は44万平方キロにすぎない。

 中国の海洋進出の常套(じょうとう)手段は、まず獲得したい島々の領有を宣言して、領有の根拠となる国内法を整備するとともに周辺海域の調査を行い、次に中国海警局の警備船を使ってその法律を執行するというものだ。今回の南シナ海での漁業規制は、この法執行の既成事実作りが狙いだとみていい。

 法執行に当たっては、当初は警察権を前面に出すものの、次の段階では海軍や空軍を展開させてプレゼンスを高め、支配を既成事実化していき、領土もしくは管轄海域を手に入れるのである。

 南シナ海ではすでに、ベトナムやフィリピンが、歴史的に領有権を主張してきた島々を中国に占拠されている。1974年、ベトナムは中国の武力行使によりパラセル(西沙)諸島を失った。

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